Header
トータル:344HIT
その瞬間、凛々しい表情の目から力が抜けて、生気のない無表情に変わる陸上女子たち。
そしてその場に服を脱ぎ捨て、何かに取りつかれたかのような足取りでトボトボと競技場の端の方へ移動する。
端までたどり着いたら、そのまま競技場の方にふり返り、それぞれが異なる芸術的なポーズとっていく。
その後は時が止まったかのように硬直してしまうのであった。
この異様な光景を見ても、観客たちは何とも思わない。それもそのはず、競技場の隅に裸婦像が設置されていても不思議なことはなく、ありふれた風景の一部としか認識されていないのだ。
このまま誰からも気に留められることもなく、消灯後の真夜中でも、雨の日でも、ずっと全裸でこの場に立ち続けることしかできないのであった。