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夜が更けて、宴会も終盤を迎える。
それでも、バレー部女子たちは全員同じ姿勢を維持し、男たちの品の無い宴会の場を彩り続けていた。
リーダー的な頼もしい存在のあの子は、もはやリーダーとしての威厳を失い、無様にもグロッキーな男の嘔吐の直撃をくらってしまっている。
その目の前にいるあの子は、普段なら真っ先に「大丈夫?」と優しく声をかけてくれるタイプなのに、今日ばかりは見向きもせずに「桜の木のポーズ」に集中していた。
いつも元気で明るいムードメーカーのような子にも笑顔はなく、まるで別人のように大人しくしている。
どいつもこいつも、青春真っ只中のスポーツ女子とは思えない生気のない表情を浮かべているが、バレーで鍛えた身体だけは芸術的な異彩を放っていた。
そんな彼女たちの姿は、まるで見世物のように一匹ずつライトアップされている。
通行人はそれを「きれい」と認識して写真撮影し、SNSに拡散させるのであった。