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A FAREWELL TO THE LAND
監督・脚本 柳町光男
製作 柳町光男、池田哲也、池田道彦
製作会社 プロダクション群狼、アトリエ・ダンカン
撮影 田村正毅
編集 山地早智子
音楽 横田年昭
出演 (配役)
根津甚八 (山沢幸雄)
秋吉久美子 (順子)
山口美也子 (山沢文枝)
佐々木すみ江 (順子の母)
矢吹二朗 (山沢明彦)
蟹江敬三 (大尽)
中島葵 (フミ子)
日高澄子 (山沢イネ)
奥村公延 (山沢幸一郎)
草薙幸二郎 (山沢竹二郎)
松山政路 (文枝の実兄)
猪俣光世 (文枝の兄嫁)
白川和子 (霊媒師)
岡本麗 (台湾人の女)
志方亜紀子 (「山沢建材」事務員)
石山雄大 (生コン会社部長)
港雄一 (老事務員)
粟津號 (ダンプカー運転手)
ほか 。
メモ1📝
暴走族のドキュメンタリー映画「ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR 」(1976)、中上健次原作の「十九歳の地図」(1979)の柳町光男監督の長編映画2作目。柳町監督の故郷でもある1980年初頭の茨城県鹿嶋市を舞台に急激に工業化したことで失われていく大地とそこに暮らす家族の崩壊を描いた人間ドラマ。
メモ2📝
1980年代初めの鹿島臨海工業地帯近くの町。その場所で代々農業を生業にしてきた山沢家だったが、長男の幸雄 (根津甚八)はダンプカーの運転手として外で働き父 幸一郎(奥村公延)、母 イネ(日高澄子)と幸雄の妻 文枝(山口美也子)が農業に従事していた。次男の明彦 (矢吹二朗)は東京に出てそのことを恨みに思う幸雄は何かつけ両親に悪態をつき暴れていた。
そんな彼の生き甲斐は2人の幼い息子たちだったが、ある日2人で近所の貯水池に遊びに出かけボートで遊んでいる時に転落して命を落とす。身重の文枝は嘆き悲しむが幸雄はそんな文枝に怒りをぶつける。しばらくして幸雄は背中に観音像と2人の息子の戒名を彫る。
幸雄は順子というかつて弟 明彦の恋人だった女をダンプカーに乗せる。順子 (秋吉久美子)は昼間は工場で働き、夜は母 (佐々木すみ江)の飲み屋を手伝っていた。彼女は母が店の若い男と出ていったと打ち明ける。幸雄と順子はダンプカーの後部シートで関係を持つ。やがて2人は同棲を始める。
メモ3📝
この映画はずっと紹介したかった映画の1つでこれまで何十回も観てるから全登場人物の台詞ほぼ記憶しています🤓もしかしたらこれまで紹介した邦画の中で1番ヘビーな内容の映画かも知れないですね🤔でも救いのない絶望的な映画と言われてるけど私にはそうは思わないんですよね🤔秋吉久美子演じる順子の視点から見ると悲劇かも知れないけれど、豚小屋から逃げた豚を追い掛ける山沢家の人たちの姿のラストシーン(その中に女児らしい赤い服着たマリコの姿があるのは感動します)はどこか牧歌的でありユーモラスで悲劇すら包括する強さを私は感じました🤓
メモ4📝
幸雄演じた根津甚八は私知ったのはTBS金曜ドラマ「あまく危険な香り」(1982)でしたね。ミステリーサスペンスドラマで根津甚八は主演で妹役が浅野温子、舎弟がドラマ初出演の陣内孝則(当時博多弁がきつくて何言ってるか分からなかった)倍賞千恵子が初めて悪役やったドラマだと思います。主題歌はもちろん山下達郎です。バイクに乗る根津さんカッコよかったですね🤓
メモ5📝
その後「その後の仁義なき戦い」(工藤栄一監督・1979)、「影武者」(黒澤明監督・1980)、「乱」(黒澤明監督・1985)と役者としてどんどんスケールアップしていったんだけど病気で早く亡くなられてしまったのが実に残念ですね🥲
メモ6📝
この映画が絶望的に暗い映画と思えないのが、劇中効果的に使われる《歌》かな。登場人物の心情をたっぷり表現する歌(ひとり上手)であったりジングル的に使われる歌(月がとっても青いから)など。良いスパイスになってると思います🤓