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監督 小津安二郎
脚本 野田高梧、小津安二郎
原作 里見弴
製作 山内静夫
撮影 厚田雄春
美術 浜田辰雄
音楽 斉藤高順
製作会社 松竹大船撮影所
配給 松竹
出演 (配役)
佐分利信 (平山渉)《会社常務》
田中絹代 (平山清子)《渉の妻 ラジオ好き》
有馬稲子 (平山節子)《会社OL》
桑野みゆき (平山久子)《節子の妹》
佐田啓二 (谷口正彦)《会社員 節子の交際相手》
高橋貞二 (近藤庄太郎)《会社員 谷口の学校の後輩》
笠智衆 (三上周吉)《平山の同期 文子の将来を悩む》
久我美子 (三上文子)《銀座のバーで働く》
山本富士子 (佐々木幸子)《初の娘》
浪花千栄子 (佐々木初)《京都の旅館経営者》
渡辺文雄 (長沼一郎)《ピアニスト 文子の同棲相手》
中村伸郎 (河合利彦)《平山の旧友》
北竜二 (堀江平之助)《平山の旧友》
高橋とよ (料亭「若松」の女将)
桜むつ子 (バーのママ)《常連客 近藤をからかう》
長岡輝子 (富沢)
十朱久雄 (曽我良造)
須賀不二男 (列車給仕)
菅原通済 (同級生 菅井)
江川宇礼雄 (同級生 中西)
小林十九二 (同級生)
ほか 。
メモ1📝
ライバル会社、大映の看板女優である山本富士子を松竹に招いて撮った小津安二郎監督初めてのカラー作品。佐分利信、田中絹代が夫婦役を演じ久しぶりに小津作品に出演している。
メモ2📝
大手企業の常務の平山渉(佐分利信)は旧友の河合 (中村伸郎)の娘の結婚式に出席した。その席に同期の三上 (笠智衆)の姿がないのが気になった。三上の一人娘の文子(久我美子)は最近家を出て銀座のバーで働いていてピアニストの男 長沼(渡辺文雄)と同棲していたのだ。三上は娘の将来を思って悩み河合の娘の結婚式に出席することが出来なかったのだ。
平山は三上の頼みで文子の様子を見に銀座のバーに出かけた。平山は文子に会い家に戻るよう助言するが彼女は戻る気はないようだった。
平山の馴染みの京都の旅館を経営する佐々木初(浪花千栄子)と娘 幸子(山本富士子)が平山家にやってくる。初は娘の幸子の良い縁談がないものかとあちこち奔走しているが、当の幸子は結婚する気はさらさらない。幸子は平山の長女 節子(有馬稲子)に親が自分たちの将来についていろいろ面倒なこと言ってきたら、その時は協力し合おうと《同盟》の指切りげんまんをする。
メモ3📝
小津映画記念すべきカラー作品ですね。前に紹介したカラー作品「お早う」の前ですかね🤔ドイツ製フイルムのアグファカラーの赤の発色がすごく綺麗ですね。この作品も赤好きの小津監督、フレーム内に赤の小道具(大道具)が入っていますね🤓個人的には平山と文子が食事する中華そば屋「珍々軒」(別の小津映画でも出てきた気がするな🤔)の店内が見れたのが嬉しいですね🤓
メモ4📝
ストーリー的には小津作品得意の娘が嫁ぐまでの父親の心象風景を描いたものなんだけど、この作品では夫婦という点が異なりますね。古いタイプの封建的な父親(夫)にずっと寄り添ってきた田中絹代演じる母親(妻)がまた良いんですよね。家族四人最後の旅行となる箱根旅行のシーンでの佐分利信と田中絹代の会話はなんかジーンとしてしまいました。私の両親もあなたの両親も私やあなたのいないところでこんな会話していたのかもよ。いかんいかん小津映画は過去の自分の記憶を呼び覚ます…。
メモ5📝
節子役の有馬稲子のベリーショートは自立した女性の証なんでしょうね。妹の久子役の桑野みゆきは母 桑野通子に続いて親子二代の小津映画出演。大映のスター女優 山本富士子はさすがに上手い。母親役の浪花千栄子とともに京都弁でスパイスを与えてますね🤔中村伸郎、北竜二の同級生コンビはもはや鉄板ですね。今回、後期小津作品に不可欠なツートップである杉村春子&東野英治郎が不在なんで大丈夫かな~って思ったけどコメディー要素は浪花千栄子と《近ちゃん》こと高橋貞二ががんばって埋めてましたね🤓