• 771社畜
    2022/10/14(金) 16:08:43 ID:ySOo/Afsi
    「幻の演奏会」 ⑪せーりの裏切りPart2

    バリカンの交渉は果たして上手くいくのか…。
    心配なスレンダーと社畜はバリカンの後を追う…。

    バリカンはせーりを談話室へ呼び出した。
    心配なスレンダーと社畜は談話室の扉の前で
    聞き耳をたてることにした。

    「せーり、ひとつ聞いていい?なんであなたは
    バンドをやってるの?皆の前で披露するほどの
    腕前がそもそもあるの?」

    ………。バリカンは自分より力量が低いと思う者に
    対してのデリカシーがほとんど欠けている。
    それがなければ立派なリーダーなのに…。

    「えっと…。それは自分でもよく分かりませんが…。リーダー、つまり何をお話されたいのですか?」

    せーりちゃん。君は立派な言葉遣いで最高。
    量産型アイドルみたいな容姿だけど。

    「んーっとね、話せば長くなるんだけど…。」

    そして容量の悪いバリカンは事の経緯を1から全て
    話し出す。

    (話が長い…) きっとそう思いながらスレンダーは
    聞き耳を潜めていた。
    (フケがある…。食べたい。) 確実にそう思いながら
    社畜はスレンダーの頭皮を眺めていた。

    「…というわけ。だからね、バンドを抜けるには
    いいタイミングだと思うの。抜けない?バンド。」

    さりげなくとんでもないお願いをするバリカン…。
    研修生の頃からお世話してあげたというバリカンの
    恩着せがましい姿勢が伺える。

    確かに社畜は覚えている。
    バリカンの「ここはね、こうするの」という
    自慢げに指導する声に対して
    誠実に「はいっ!」「分かりましたっ!」と返事を
    する初々しいせーりを…。

    今も真面目に働くせーり。
    ちなみに生理の日は機嫌が悪い。
    なぜ生理の日が分かるのかは秘密である…。

    「…せーり? どうなの? 抜けよう?バンド。」

    バリカンがしつこく迫る。圧が強いのじゃ…。

    そしてせーりがやっと口を開く。

    「…リーダーが辞めさせてくれるんですか?
    リーダーが助けてくれるんですか!?」



    え…。なんか急に重くない?(生理じゃない)

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