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夜21時過ぎ、仕事から帰宅するときの話。
バス停でバスを降りて歩いていたら、自分の前を中年くらいであろうコンビニ袋を持った浮浪者風のおじさんが歩いていて、さらにその前を制服姿の女の子(中学生か高校生)が歩いていた。

女の子が左の細い路地に入って行って、おじさんもその後を続いた。

路地は幅2メートルくらいで、両側に古い民家が立ち並んでいる。

なんとなく不審な感じがして、その二人が入っていった路地をのぞいてみたけど、さっき入ったはずの二人がどこにも見当たらない。

あれ?と思って路地に入って10メートルほど進んだら、ウーウーという唸るような声(男の声か女の声かも不明)が微かに聞こえ、ビニール袋のカサカサ鳴る音も聞こえる。

嫌な予感がしたから真っ暗な路地をスマホのライトを照らしてあちこち見たけど、誰もいない。声や音がどこから聞こえたのかも分からない。
さっき聞こえた唸るような声もビニール袋のカサカサ音も聞こえなくなった。
5分くらいあたりを見回ったけど何も見つからないし何も起こらないので、気のせいだったと自分に言い聞かせて帰ることにした。
本当に何もなかったのか、実は女の子がおじさんに襲われてて口を塞がれていたのか、今となっては知る由もないけど、何となく罪悪感が残ってて今まで誰にも話したことない。

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