>>491
俺は32歳、東京本社勤務の主任。既婚。
部下に26歳の女子社員がいて、今年の「パート勤務優秀賞」の受賞者サポート担当として一緒に名古屋に前泊で出張していた。

受賞式の会場は名古屋市内の結構有名なシティホテル。
前日の夜に到着し、他のスタッフや関係者も続々と集まってくる。
ホテルの控室に荷物をまとめて置くよう指示され、スーツケースは一ヶ所に集めて保管されていた。

当日の午前受賞式の開始を前に、スタッフ全員で入念な準備と打ち合わせが行われた。
会場の導線確認、タイムスケジュールの再確認、各自の役割分担…会話はテキパキと進み、全員が集中していた。

ただ、その間は控室が完全に無防備な状態になっていた。
そんな中、ふとした瞬間に「あ、これは…」と気づいた。

「すみません、書類一部忘れたかもしれません。控室戻って確認してきます」
そう言ってその場を離れ、俺は一人で控室に向かった。

ホテルの静かな廊下を早足で進みながら、
胸の中に何とも言えない高揚感が広がっていく──。(続く)