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「バリ感2」 完全敗北

「えっ、私ですか!?」
肉付きが驚いて確認する。

「主任さんの横にいたから。副主任かなんかでしょ?だから適当だと思ったの。はいどうぞ〜。」

防護服を渡される肉付き。

「あ、えっとー。主任? いかがです?
やってみませんか?」

肉付きがスレンダーのことを「主任」と呼んだのは
後にも先にも今回だけである。

「あ〜ダメダメ〜。主任さんじゃあれだから〜」

指導員が早速ダメ出しをする。
「あれ」ってなんだよ…。

「肉付き…やって…」
スレンダーが諦めた表情で指示を出す。


それから肉付きはバリカン状態となり、
指導員の顔を伺いながら恐る恐る防護服を着始めた。

「ふ〜ん」 「あ〜」 「なるほどねぇ〜」

指導員が肉付きの動作一つ一つに
曖昧なリアクションを取っていく。

そして一通りの防護服の手順を終えたところで一言。

「分かりました〜。
今回の感染原因はあなたたちの知識不足です〜
ちなみに全然間違ってましたよ〜あなた。」

いやもう分かってるってばよ…。

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