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最初のデータは、聞けば本人だとわかるような、印象的な場面ばかり編集した。
例えば、フェラチオしながらオナニーさせられた場面では、彼氏に「気持ち良かった?どうだった?」と聞かれている。
「感じてたよな」と言われると「✕✕くんがさせたんでしょ!」となじる。
毎回ではないが「ちゃんと言って?」「おねだりして?」と彼氏が甘えるように言い、彼女も照れながら、時には、仕方ないなぁという調子で「挿れてください」とか「もう挿れて」とか言う場面。
普通の会話で「今週ちょっとヤリすぎじゃない?」「お前、発情期?」「ゴムなくなっちゃう」「わかんないけど✕✕くんと、凄い気持ちいいし」みたいなHについての話。
彼氏から出回る内容ではないんだけどね。よく考えたら。
でも、彼氏周辺から回ってきたデータで、みんな聞いてる…って感じで、匿名で伝えた。
そりゃショックだし、彼氏にも友達にも相談できないし、落ち込むよね。
授業でも「みんなに聞かれてる」と思ったら怖くなる。話しかけてくる女友だちですら聞いてるかも…と。 -
当然、会話以外の部分は喘ぎ声。
実際に聞いているのは僕だけだったけど、彼女には、周りみんなに秘密の声を聞かれてる、最初に聞かせたのは彼氏…と疑心暗鬼になっている感じだった。
明るくて、堂々と夢を語れて、友だちもいて、頭もよくて、バイトも頑張ってて。
背は高くないけど、スタイルはよくて長身に見えた。化粧っ気がなくても色白できれいだった。
それが少し元気がなくなり、彼氏と別れ、休みがちになり、痩せてた。
データを送ったきっかけは、彼女が引っ越して、もう録音や録画ができなくなったからだったので、その後の様子は学校で見かける以外はわからなかった。
それでも徐々に立ち直っていったのはわかった。新しい彼氏は作らなかったし、どことなくだけど、周りと距離を置いてる感じはあった。 -
やがて、夢に近付くような就職先が決まり、卒業に向けて進んでいた頃、引っ越す前に…と、新たなデータを送った。
一番最初の頃に記録したもので、別れた彼氏の前に付き合っていた男とのいろいろ。
この元カレは、Hの背中の会話が多かったから、彼女が聞けば誰との時のものか、すぐわかったはず。
当然、別れた彼氏が流出の犯人でないことも、別れる理由がなかったことも、犯人は別にいることも気付いたはず。
内容は、基本はベッドの場面。
彼氏はさかんに「好き」「気持ちいい?」「これは?」「後ろ向いて、そうそう」「ヤバい」「イッていい?」「気持ち良すぎて我慢できない!」とか喋る
彼女も、相手に合わせて、わりと喋る。
「恥ずかしいって!」「ダメ!それはダメ!」「いやじゃない…い、や、じゃ、ないっ!」「いっちゃうかも」でもイク時は無言なのがリアルだった。
その後は同窓会にも、恩師が急逝した時にみんな集まった時も来なかったし、連絡を取っている人はいなかった。
バレなかったけど、今から思うと危険極まりない行為だった。
彼氏と別れて、休む日も増えて、どんどん虚ろになっていって申し訳なく思ったけど、無事に内定ももらって、卒業できることになった。
そうなると、また悪い考えが出てきて、卒業直前に、別の彼氏との音声を送付してみた。
その後は知らない。