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『 安城家の舞踏会 』 (1947)

監督 吉村公三郎
脚本 新藤兼人
原作 吉村公三郎(※チェーホフ作「桜の園」がモチーフという説あり)
撮影 生方敏夫
編集 杉原よ志
音楽 木下忠司
製作 小倉武志
製作会社 松竹大船撮影所
配給 松竹

出演者 (役名)
原節子 (安城敦子)《安城家の三女》
逢初夢子 (安城昭子)《安城家の長女》
滝沢修 (安城忠彦)《安城伯爵家・当主》
森雅之 (安城正彦)《安城家の長男》
清水将夫 (新川龍三郎)《ヤミ会社の社長》
神田隆 (遠山倉吉)《運送業者経営者・元運転手》
空あけみ (菊)《安城家のお手伝い》
村田知英子 (千代)《忠彦の妾の芸者》
殿山泰司 (吉田)《安城家の古参の使用人》
津島恵子 (新川曜子)《新川の娘・正彦の許婚者》
岡村文子 (春小路正子)《忠彦の実姉》
日守新一 (由利武彦)《忠彦の実弟》
高松栄子 (老女 松)《安城家の古参の使用人》
ほか 。

メモ1📝
華族制度廃止で没落の一途をたどる由緒正しき名門華族 安城家が最後に開催した舞踏会での様々な人間模様を描く。

メモ2📝
第二次世界大戦後、日本では華族制度が廃止され名門華族 安城家もその憂き目に合う。家宝の財宝も次々と手放していき最後に残った屋敷も借金の抵当となる。安城家当主の忠彦 (滝沢修)は華やかな頃の暮らしを懐かしんでばかりいて厳しい現実に向き合おうとしない。屋敷を手に入れようとしているのは新川 (清水将夫)という戦後のヤミ市で成り上がった男で昔、忠彦の世話になったことがあり、新川がその恩義でこの危機を救ってくれると思っていた。

その新川に対抗してもう1人屋敷を購入しようとする人物が現れた。運送業者経営者の遠山 (神田隆)で彼は以前安城家の運転手で安城家の長女 昭子(逢初夢子)への身分違いの一方的な想いが原因で、安城家を飛び出したのだった。遠山に相談を持ちかけたのは安城家の三女の敦子 (原節子)で彼女は父が新川に信頼を寄せすぎているのを心配してのことだった。

遠山は忠彦と再会し屋敷の件を話すが、忠彦は華族の高いプライドから元運転手の遠山の申し出を断わってしまう。ヤミ会社の社長 新川がなんとかしてくれると思っていた。忠彦は華族最後の思い出に屋敷で舞踏会を開くことにした。敦子は最初は反対だったが父の心情を汲み同意する。

メモ3📝
この映画初見でした。昔レンタルビデオ店(全部VHS時代よ)の邦画コーナーでよく見かけて観たいと観たいと思っていて現在にいたった作品でした。いやー面白かったですね。これ傑作だと思います。ほぼ安城家の屋敷内(一部砂浜や温室(植物園?)のシーン有り)で舞台劇に近いと思ったらチェーホフの有名な舞台劇「桜の園」がモチーフなんですね🤔でも監督の吉村公三郎監督は舞台劇でありがちな引きの絵と長回しの単調な構成になるんだけど、ヒッチコックの映画なみにダイナミックにカメラが動いて被写体を捉え照明と連動してサスペンス効果を生んでいるのが素晴らしいですね。ちなみに撮影は松竹を代表する名キャメラマン 生方敏夫。大映の宮川一夫、松竹の生方敏夫、東宝の中井朝一って感じかな🤓

メモ4📝
舞踏会の参加者たち同士の雑談によって登場人物の経歴など表現されるのも上手いですね。華族制度廃止。三島由紀夫も没落していく華族を題材にした小説か戯曲(舞台劇)書いてた気がしますな🤔原節子と森雅之は黒澤明監督が松竹で撮った「白痴」で競演してますよね。原節子、やっぱり綺麗ですよね。拳銃持った滝沢修目がけて猛スピードでダッシュしてタックルする原節子なんて滅多に観れないから大満足ですね🤓

メモ5📝
森雅之が津島恵子から受ける往復ビンタにはビックリしましたね。こういうバカ息子役も上手いですね。劇中で煙草の煙で輪っか作ってるけど撮影大変だったでしょうね。もちろん往復ビンタもね😎私が興味ひいたのが最古参の使用人の吉田演じた殿山泰司ですね。この人私が観るほとんどの映画に出てる🤯笠智衆同様老け役演じる事が多いんだけど、この映画だと禿げ上がってはいるがお肌ツルツルで実年齢ははるかに若い事が分かりますね。滝沢修から形見として貰う懐中時計をチラッと見るところの演技が最高ですね🤓

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