• 217社畜
    2024/10/29(火) 13:41:34 ID:HuUajtt2i
    >>143 続きどす

    「患者CRAZY編」⑥「過去への依存」

    「ま、もうここにいない人のこと言ったって仕方ないんだけどね〜。なんかさ、最近女々しいよね、この職場。セカンドさんだったらこんな面倒臭い問題はちゃちゃっと解決してるよほんと」

    ラッパーが手を頭の後ろに組みながら、デカイ態度で物申す。おい、制服の隙間から色素沈着気味の腋が見えてるぞ…。むしゃぶりつきたい…。

    「はぁ…」

    せーりとバリカンがほぼ同時にため息をつく。
    厄介of厄介なラッパーが、更に2人にとって厄介な人物「セカンド」の名を口にしたことでテンションはだだ下がりである。

    バリカンにとってセカンドは自分を失脚させた相手。まぁ自分が全部わるいのだが…。
    そして「せーり」にとってはリーダーに昇格し、副リーダーのセカンドが支えてくれると思っていたがまさかの異動。恨むとまではいかないだろうが、サポートがいないに等しいこの状況でセカンドの名前を聞いても良い思いはしないだろう。

    ちなみにそんなセカンドは事務所でコーヒーを飲みながら、のほほんとパソコンの画面を眺めているところである。羨ましい。

    「でもさでもさ、仲間想いなのはいい事だよ陽ちゃん! 自分の良いように後輩を育てるリーダーや、失敗しても庇ってくれる都合の良い仲間を作ろうとする副リーダーとは全然違うよ!」

    ラッパーが陽ちゃんの肩に手を回す。これは…。

    「え、そうですか?? そう思います?? ですよねー!損得勘定無しの仲間が1番ですよねー!いやー、理解力あって助かりますー!!」

    陽ちゃん洗脳完了である。

    「てなわけだからさ、もっと職員のことを考えてあげた方がいいんじゃない?お二人さん」

    捨て台詞を吐き、ラッパーは退出。
    そしてそれに着いていく陽ちゃん。完全に悪ガキパーティに加入した…。

    「……」

    沈黙が訪れる。ある意味ラッパーの言うことは図星だからだ…。しかし「はざーど」の存在をラッパーが完全に無視していたのは少し面白かった。鉛筆臭で独自の存在感をアピールしていたのに…。

    「あ、あの…」

    ピピピー!ピピピー!

    はざーどが口を開けた瞬間にナースコールが響く。この騒音に紛れて「はざーど」のその空いたお口に社畜のブツを突っ込みたい…。

    「あー、あのー、リーダー?聞こえますか、Kさんの部屋に来てください。見せたいものが…」

    ナースコールの声の主は陰ちゃんであった…。

    ▶︎次回「攻略成功」
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