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「患者CRAZY編」②初めての…

「…ハァハァ…、あの…副リーダー…、ハァ…とんでもないこと言ってもいいですか…? ハァ…」

急にナースステーションに現れたヤタガラス…。怖いわ…。なんでそんなハァハァしている…。

「ヤタガラス」
中途採用で雇われた仕事に真面目な職員。真面目な職員は大体バリカンの思想に関心を抱き、やがて信者となる。彼女もまたそのパターンの1人である。

「…!? どうしたの?? 大丈夫??」

五つ以上、年上のヤタガラスにタメ口を平気で聞くバリカン。自分の信者にはお構いなしである。以前バリカンもこんな感じでハァハァしながら、社畜の憧れの「かえで」の職場Fa○k事件を報告してたっけ…。懐かしい…。

「…ハァ…ハァ…言いますよ…驚かないでください…ハァ」

ハァハァうるさいヤタガラスの言い分はこうだ。

・入院中の患者Kさんからナースコールがあり、かけつけると「壁に大きな虫が張り付いている」とのこと
・患者Kは精神疾患を患っており、幻聴や幻覚が見えてしまう。もちろん大きな虫などいない。
・「いや、ほら上、そこ!そこ!」と自分の頭上を示す患者K。気持ちを落ち着かせるために、それらしく壁に向かってサッサと手で払い除ける仕草をするヤタガラス(優しい)
・そこで突然!患者K!ほぼ目と鼻の先にあるヤタガラスの胸を揉みしだく!! ここでガチで払い除けたヤタガラス。
・患者K、謝るどころか「しょうもない胸だね」と酷評レビュー(実際ペチャパイ)

こんな感じである…

「ハァ…ハァ…ハァ」

どうだっ!!
私はこんなに酷い仕打ちを受けたんだぞ!というような表情でバリカンや陰ちゃんのリアクションを待っているヤタガラス…。

「そ、それは大変だっ…」

「で?何ですか?そういうのも含めて私たちの仕事なんじゃないですか? 副リーダーだって知ってますよね?Kさんがそういう人だって」

バリカンの同情の言葉を陰ちゃんの毒舌が上書きする…。

「あ…いや、でもヤタガラスさんが受けたのは結構ヒドい…」

「仮にですよ? 仮にそれでどうしたいんですか?ヤタガラスさん?」

陰ちゃん、更にバリカン上書き…。

「陰ちゃん、そういうことをヤタガラスさんは求めているわけじゃ…」

「そういうことを求めているわけじゃないの!1人の人間として私はショックを受けたって話!もういいです!」

ヤタガラスにまで上書きされるバリカン…。悲惨である。
そしてヤタガラスは興奮した様子でその場を離れる。慌てて追いかけるバリカン…。

ほわんほわんほわん(回想終了)
ということがありましたでありますスレンダー殿!敬礼っ!! あ、また気づいたらパンティ履いてる。逆再生。

「なるほどね〜…。いやー、陰ちゃんもすごいねー。ありがとう!また出勤したときに今日のこと伝えるね」

スレンダーとの電話が切れる。
ま、いいか…。スレンダーの醜態を画面越しに見るもの飽きたので寝るとしよう…。

もし…この時、社畜が少しでも職場の事が気になり社畜病院に足を運んでいたら…
「せーり」に訪れる惨劇を回避できたかもしれない…。

▶︎次回「被害者」

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