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――法律の「いじめ」の定義を考える――
https://imadegawa.exblog.jp/32855764/
■"互いが互いをいじめ合っていた"?
佐賀県伊万里市の女子中学生が自殺した件で、
万里市教育委員会は報告書を公にした。
報告書は、
自殺した女子生徒がLINEで
「私が嫌いなの?」との問いかけたのに同級生が
「いまのXは嫌い」などと答えたことを
いじめと認定した(NHK佐賀 NEWS WEB)。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/saga/20221017/5080012982.html
そして、
自殺した女子生徒の側が この同級生に
「嫌い」と発信したこともまた、
いじめとして認定した(『読売新聞』電子版)。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221018-OYT1T50067/
他方、
このやりとりは自殺の約20日前で、
「内容自体も
積極的な害意や悪意を告げるものではない」ため
「自殺の決定的な原因となったと認定することはできない」
ともした(『佐賀新聞』電子版)。
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/933990
いじめ防止対策推進法は いじめを、
「児童等(筆者注:=児童生徒)が
心身の苦痛を感じているもの」と定義する。
「私が嫌い?」と聞かれて
「今のあなたは嫌い」と答えるのも、
そう言われて「嫌い」と返すのも定義上、
共に「いじめ」となる。
「互いが互いをいじめ合っていた」。
法律の定義上、そうなる。
いじめ防止対策推進法上、確かに そう なるのだが、
こういった定義が適切か どうかは
考えるべきではないだろうか。
こうした定義では、
社会通念上相当な範囲を
特段 超えているとは言えない行為も
恣意的に「いじめ」とされかねない。
思想・信条・表現の自由や幸福追求権を保障する憲法上も
問題が有る。