抜け落ちる景色

近所の駐車場には猫がとにかく沢山の猫が居た。持ち主さんが優しい人だったので駐車場をしながらも、猫の居場所としても優先していた。
なので、猫が居るので車体に傷がいく事があってもOKな方．．などとして。猫付きと言う条件が車庫代を大幅に低い価格設定の駐車場を実現していました。
数十年後､それでもかなり広い地所だったので､そこに建て売り住宅が数棟建ちました。
猫の存在は全く消えました𓃠 新しく来る人にはその土地がどんな意味を成す地かは知りません。

ただ猫のオアシスが消えて無くなりました。

私は沢山の猫の姿を見ていました。毛繕いをする仕草や顔を洗うような器用な手．．．優しく長閑な時がいつまでも続く景色．．牛乳が自販機で売っていた時代．．道の窪みにその牛乳を注ぐと猫たちが舐めて飲んでいた。良い事ではないかもしれないけど､空腹が満たされば気持ちが暖かくなってほっとすると､不安が消えた事．．
自然が消えていく前は､確かにこんな感覚も残っていました。