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## 短編小説『ゾロアスター・ルネサンス』

**登場人物**

* **マリアム・ハシェミ(Maryam Hashemi)**:キュロス2世学院 教授。知性と美貌を兼ね備えたペルシャ学の権威。

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* **アミール・カリミ(Amir Karimi)**:キュロス2世学院 学生。真理を追い求める熱き青年。

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ジュネーブの一角、ペルシャ人コミュニティーの希望の灯火として2020年に産声を上げた『キュロス2世学院』は、その日、朝から異様な興奮に包まれていた。

3号館5階の大教室。教壇に立つマリアム・ハシェミ教授による講義『ゾロアスター・ルネサンス論』は、歴史の転換点に立ち会う若者たちの熱気で満ちていた。

……………

かつてイランと呼ばれた彼らの祖国――ペルシャでは、長きにわたる闇が払われようとしていた。マルクス主義的専制と分かちがたく結びついたシーア派原理主義政権が、多国籍軍の手によってついに崩壊したのである。

1979年、アメリカ社会党政権の隙を突いて誕生したその政権は、半世紀近くもの間、厳格な宗教・言論統制によって国民を呪縛してきた。彼らは「国民革命軍」を黒幕として、シーア派テロ組織をチェスの駒のように操り、「スンニ派アラブ諸国の征服」という野望に狂奔した。

その支配構造は、福沢諭吉がかつて「丁稚の権助」と評した、非合理な群衆の歓心を買うことで成り立つ衆愚政治そのものであった。知性よりも情動を、経済合理性よりも独裁者への盲従を優先する無産階級を扇動し、アメリカ大使館占拠事件のような過激な「熱狂」を配給することで、彼らは政権を維持し続けたのである。

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