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〓ウクライナ戦争の勃発と軌を一にした2022年のサプライ·ショックに伴うコストプッシュ·インフレ対策として米FRBなどが同年2022年、利上げを繰り返した。

〓その理論的根拠となったのが東西冷戦終結後に登場し、“新しいマクロ経済原論”と持て囃されたニュー·ケインジアンであり、その中核的位置づけを与えられたテイラー方程式であった。

〓しかし、これも既出エッセイの繰り返しとなるが、インフレ対策としての利上げが有効となるのは、「インフレ率を目標通りに安定させさえすれば、自動的に需給ギャップもゼロ(最適化)になる」という仮定、すなわち『神聖な偶然(Divine coincidence)』が成り立つデマンドプル·インフレの場合に限られる。

〓2022年のようなコストプッシュ·インフレ時に利上げを行ったため、負の需給ギャップが拡大する一方、利上げでは地政学的なサプライ·ショック自体を打ち消す効果を発揮できず、寧ろ“利上げによる不況下にあって、一際目立つ高収益ビジネスと化した商品先物投機のチャンス到来”という状況を創り出して、深刻なスタグフレーションを招いてしまったのだ。

https://gyazo.com/1799230a589c663b648e5d9b7f2ff130

〓2022年の米FRBによる連続利上げは、①円投資金の対米流入を誘発し、或る程度のインフレ対策となるドル高を齎しはしたが、②それ以上に外資の流入と商品先物市場への投機資金の集中を招いたのである。

〓その結果、低金利政策を続けた日本とは対照的にコストプッシュ·インフレ対策としての利上げに執着したアメリカでインフレ率が加速してしまった訳だ。

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