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「股間ビギニング」② ナースステーションにて

「社畜ぅ、日誌終わんないよぉー」
私はスレンダーの愚痴聞きながら、タブレットで明日の処置の申し送りを作っていた。

「社畜ぅ、日誌終わんないよぉー」
「社畜ぅ、お腹減らないのぉー?」

「スレンダー!うるさいよ!お前もなんか言えって」
私のことを(お前)と呼ぶのは肉付きだけだ。
上からボンボンボン体型のお肉の塊だ。

「スレンダーさん、皆寝てるから静かにしましょ」
愛する肉付きの命令でしたら、何でもします。
何でも言います。

「休憩おわり。次、誰でもいいからどーぞー」
眠気眼のメガネが休憩室から出てきた。
メガネがないと誰だか分からないメガネ
は言い過ぎだけど、ほんとにメガネが印象的。

肉付きが「それじゃ、次はわた…」と言いかけた時、
ナースコールが鳴った。そしてコールを取ると

「助けてください。1人では怖くてもう無理です。」

バリカンの震えた声がステーション内に響いた。

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