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「バリカン感染事件」惨劇へのカウントダウン①

「リーダ〜!ちょっとこの書類なんですけど…」
後輩(男)職員がバリカンに声をかける。
「んっ? ああそれね、これはね…」
バリカンは事細かに丁寧に後輩に教える。

3ヶ月前の股間ビギニング事件以降、新しくリーダーの座に着いたバリカン。元から後輩に物事を教えるの
事が得意だった彼女にはうってつけの役職であった。
いや得意というより教えたがりと言った方が良いかも
しれない。

「リーダー!ありがとうございました〜!」
後輩(男)はすっきりした表情で勤務室を後にする。

同じく自己満足してそうな顔をしたバリカンが言う。
「あの、社畜さん…。あの例の患者さんのお部屋、
担当私がやってもいいですか?下手に経験がない
職員が対応しても余計拡がるだけかと…。」

霊の患者さん
霊なのでいない=空きベッド
空きベッド=イケメン×かえで
あぁぁぁ!! 嫌なこと思い出した!

もとい例の患者さん
上下の口から汚物が出ちゃう「うんゲロ」ウィルスに
感染されてしまった患者さんのことである…。
適切な処置をしないと自らも感染してしまうため、
細心の注意を払って、対応に臨まなければならない。

さすがリーダー。自ら挙手をしてまで…。
「えっと…。主任にきいてみなければ分からないので
聞いてきます!」
社畜には何も権限はない…。

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