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「幻の演奏会」 ①ゲーマーのアイデア


「ねぇねぇ! 出しもの何にする??」
休憩中の医務室にてその話題はゲーマーによって
放たれた。

市民フィスティバルにて特設ステージで出し物をする
というほぼ地獄的な状況が決定したのに関わらず、
彼女だけは前向きだ。他の職員は大体後ろ向き、
社畜が好きな穴はもちろん後ろの穴。

「テキト〜にソー○ン節でいいんじゃない〜」
脱力した声でスレンダーが返答する。
ソー○ン節のルーツの方に失礼すぎるぞ…。

その後「指人形劇」などよく分からないアイデアも
出たものの、決定する雰囲気がない。

「じゃあさ、ヘルパーの子たちも混ぜて
大きな事しよう? 演奏会とか! 」
ゲーマーが更にアイデアを投下する。


市民のさらし者にされる数が増えれば増えるほど
自分自身への視線は軽減される


そう考えた社畜含む看護師メンバーはそのアイデアを
快く承諾した。
その決定がとんでもない方向に向かうことなど
まだこの時点では誰も知る由もなかった……。

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