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【蒼天の下、書き換えられた無垢の終焉】

夏の日差しが照りつけるスタンドは熱狂の渦に包まれていた。グラウンドの死闘に応えるように、チアリーダーたちが華やかなダンスを披露する。青と白のユニフォームを纏った女子高生たちは、弾ける笑顔と一糸乱れぬ動きで観客を魅了していた。その躍動感は、まさに青春の象徴そのものだった。

その最前列に、一人の男が座っていた。男は冷めた目で彼女たちを見つめ、手元の小さなシールの束を取り出した。現実を書き換える「代用シール」だ。

1 青春の舞台に忍び寄る魔手

「さて、この景色を地獄に変えてやろうか」

男はニヤリと笑い、応援に熱中する父親たちの背に「性欲の塊」と書いたシールを次々と貼った。その瞬間、男たちの瞳から知性が消え、どす黒い欲望が宿る。彼らはもはや試合も娘の努力も見ていない。眼前の対象を貪り食おうとする獣へと精神を書き換えられたのだ。

次に男は、ジャンプを終え着地したチアリーダーたちの元へ歩み寄る。一瞬の隙を突き、「オナホ」と書いたシールを彼女たちの肌に電光石火の速さで貼り付けて回った。

2 崩壊する現実、消えた少女たち

シールの効果は劇的だった。さっきまで輝いていた少女たちは突如虚脱状態に陥り、自らの意志を喪失した。彼女たちは「道具に服は不要だ」と言わんばかりに、無意識にユニフォームを脱ぎ捨て、コンクリートの上に放り出した。糸の切れた人形のようにガクガクと膝をつき、折り重なるようにして無機質な地面へ倒れ込む。熱を帯びた階段に、柔らかな肢体がモノとして無造作に放り出された。

しかし、これは男から見た景色に過ぎない。周囲の一般客や「性欲の塊」に変えられた父親たちの認識は、より凄惨に上書きされていた。彼らの目には、踊っていた少女たちが一瞬で消滅し、代わりに生々しい質感の巨大な「オナホ」の群れが、散乱する衣装と共に転がっているように映ったのだ。

3 欲望の獣たちの饗宴

「なんだ……これは最高の掘り出し物じゃないか」

父親たちは獣のような声を上げ、かつて娘であった「物体」に這いつくばるように群がった。一般客がこの異常事態に腰を抜かす中、男たちは夢中で道具を使い始め、陶酔しきった表情で感想を語り合う。

「おい、この吸い付くような締め付け、今までの物とは比べ物にならないぞ!」
「見てくれ、この凄まじい肉厚と弾力を!奥まで差し込んでもビクともしない感触だ!」
「同感だ。こんな極上品、一生離したくないよ!」

この質感には皮肉な理由があった。彼女たちが磨き上げた筋肉と、踊り続け火照った身体の熱。その「青春の努力」の全てが、シールの魔法により「極上の締め付け」と「生々しい弾力」へと変換され、欲望を満たすためだけに消費されていたのである。

4 終わらない悪夢

一段高い場所から男は眺めていた。
「素晴らしい。これこそが世界の真実だ」

自分の娘を道具として貪る男たちの背中を見ながら、男は満足げに鼻歌を歌った。少女たちはもはや人間に戻る術を持たない。ただ無機質な瞳で空を見つめ、静かに欲望を受け入れ続ける。夏の太陽は、残酷なまでに明るく、その地獄絵図を照らし続けていた。

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