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「患者CRAZY編」⑦「攻略成功」
せーりへ突然の陰ちゃんからの呼び出し…。ナースコールの発信源は患者Kさんの部屋である。「見せたいものが…」という陰ちゃんのその言葉、少し嫌な予感がする…。

せーりはもちろん、その呼び出しにバリカンや「はざーど」も同行。社畜もこっそりストーキング…。

「失礼しま…っ！！ 陰ちゃん！？」

患者Kさんの部屋のトビラを開けると同時に、驚きの声を漏らす「せーり」。そのまま失禁してくれれば、美味しくいただけるのに…。

社畜もこっそり部屋をのぞく…。そこにはベッドに横たわってる患者Kさん、そしてその横に立ちながらKさんのことをなんとも言えない表情で見つめている陰ちゃんがいた…。いや、どちらかと言うと見下しているといった表現のほうが正しいのか…。

「な、何してるの？」

せーりの質問は少しズレている…。これから起こることを考えると『何しようとしてるの？』が正しい…。

「Kさん、ほら、ほら…」

陰ちゃんがわざとらしく患者Kさんの顔面手前で自身の上半身を近づける。もっと具体的に言えば胸部である。もっともっと細かく言えば、ちっぱいである。

「ぉ！？ぉぉぉ！」

Kさんが興奮して声を上げる。ヤタガラスの時もこんな感じだったのかな…。てか陰ちゃん、それはいくらなんでもやりすぎでは…。

「……はい、ここで身を引きます。これで触られません。Kさんは右手に軽度の麻痺があるので右側から対応すれば、触られそうになっても動きが鈍いので避けやすいです。攻略成功です」

「ぉ…おぃ、こっち来てくれょ…」

患者Kさんがあともう少しで手の届きそうな陰ちゃんへ向けて不自由な右手を伸ばす…。

陰ちゃん、いくらHENTAIの社畜でもその言葉遣いは引くよ…。かなり闇に落ちちゃってる感が…。これはさすがにバリカンも…。

「陰ちゃんっ！！」

あ、せーりのが早く動いた。すぐさま陰ちゃんの元へ駆け寄り、両肩を掴む「せーり」。

「何やってんの陰ちゃん！！ 私そんなことしろって言った！？ 絶対にやっちゃダメなことでしょ！ Kさんに謝ってよ！！！」

せーりのお説教はシンプルで分かりやすい。社畜も正直同じ気持ちである…。自分が同じことをされたらとても腹が立つと思う…。全裸土下座を要求したいくらいだ。

「…？？ でもこの動作を職員みんなが習得できれば今回の件は解決なのでは？」

陰ちゃん全然響いてない。こりゃ☆だめだ

「だからっ！私はそんなことしろって言ってない！！」

心が歪んでいる陰ちゃんへ向けて、ついに「せーり」が手をあげようとする。セカンド以来のアクションシーンを拝むことができるのか…。
が、しかし…

「え！？ あっ、ちょっ…！！」

勢いの良い「せーり」が何故かバランスを崩す。その理由はすぐに分かった…。
2人が言い争っているうちに患者Kさんが寝返りを打ち、自由に動かせる左手でターゲットの着用している制服を掴んで引っ張ったのである…。しかもその手は不運なことに自分のことを思いやってくれた「せーり」へ伸ばしてしまう…。

その結果、せーりはKさんのベッドへ引き寄せられる形でバランスを崩して転倒、まさかの職員が患者さんにベッド上で覆い被さるという『イケない関係』の構図が完成してしまった…。しかもKさんはちゃっかり制服の下から左手を入れようとしている…。元気だな…。

「…嫌っ…！ 気持ち悪いっ！！！」

せーりが必死に患者Kさんの手を振りほどこうとする…。やっぱり誰でも自分が被害者になると本性出てくるんだな…。
▶︎次回「被害者2名」