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>>65
車に乗り込む。どきどきしながら。

誰も来ない。俺は周囲を確認し安全を確かめてから、さりげなく、だが緊張しドキドキしながら彼女のバックに手を掛けた。

今まで全く隙の無い彼女であったが、唯一のミス。
ついに隙が生まれたのである。
まず最初に財布。現金が2万円と少々だが、そんなものには全く興味は無い。
カード類をチェックすると、お目当ての物が挟まっていた。

【運転免許証】!!

( うっうつ!かっ 可愛いい!)
思わず免許証の顔写真を見て口ずさんでしまった。子猫というか子リスというかアンパンマンのドキンちゃんというか、まるで小動物の写真みたいだ。

もう一度周囲を見渡す。彼女が戻って来たら大変だ。
だが100メートル向こうにも姿は見えない。大丈夫大丈夫。
すかさずスマホでパシャッ。数回パシャッ!これで彼女のデータを完全入手。
(平成◯◯年◯月◯生   ◯◯◯県◯◯市◯◯台◯◯◯◯)
はぁ~あの辺りなんだぁ、あの客に行く途中だよぉ~
会話の中でなんとなく住んでいる場所は聞いていたが具体的なデータ把握で気分いや興奮度は最高調。
職場の事務所からは10㎞位、俺の自宅からは30㎞位。ちなみに首都近郊の小さい県。

更にバックの中身をまさぐる。

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