392

>>390 備忘録④

Kちゃんは初めての同行を経験して疲れている。そうでないにしろ、会話の中で私は「Kちゃんが疲れていることにした。」営業職をやっていて良かったと思う。この先の提案を断れないようにする、あるいは自然に受け入れてしまうロジック、つまりKちゃんが私のDNAを自ら受け入れざるを得ないようにする「理由付け」がまさに今、完了したのだ。
私は続ける。「やっぱり疲れた時って、酸っぱいものとか、甘いもの食べなくなるよね?」「なりますねー。」人間は否定することに無意識に抵抗を感じる生き物だ。~ならない?よりも、~なるよね?と尋ねた方がYESは貰いやすい。もはやここまで来れば安心だろう。「今、酸っぱいものと甘いもの、どっちが食べたい?」これは二者択一のテクニック。自分の意思で、どちらかを選ばざるを得ない。「甘いもの食べたいですね。」よし、完璧だ。そもそもどちらを選んでも私の作戦に変更はなかったが、これは心理的にKちゃん自らが、「疲れた。甘いものが食べたい」と言ったのと同義だ。人間は自分の言ったことに責任を持ちたがる性質がある。つまりKちゃんが自ら「食べたい」と言った「甘いもの」これを食べないと自らの言葉と矛盾してしまうことになるのだ。
さて、舞台は整った。では、私の自慢のオタマジャクシ達を、たんと召し上がっていただこう。もはやKちゃん、君に逃げ場なんてどこにもないんだよ。

20 0

人気の記事